【プロジェクトワーカーに関する実態調査】大企業の役職者2人に1人がコロナ以降のメンバーとの協業が「難しくなった」と回答
~リモートワーク下の意思疎通、メンバーのキャラクター・スキルの把握が課題に 組織進化へ3つの打ち手 人的資源の見える化、アジャイル化、専門人材の企業化を提言~
働き方改革プラットフォーム「TeamSpirit」シリーズを開発・提供する株式会社チームスピリット(代表取締役:荻島 浩司、 以下 チームスピリット)は、バーチャルシンクタンク「イノベーション総合研究所」の第2回目の調査として、全国の士業・コンサルタント業・エンジニア業の企業に務める役職者(部長クラス/課長・次長クラス/係長・主任クラス)300名、一般社員300名を対象に「プロジェクト型ワーカーに関する調査」を実施いたしました。コロナ以降、働き方の多様化にともない、ジョブ型雇用やプロジェクトベースの働き方への注目が高まっている中、プロジェクト単位で働く上でのチームとのコミュニケーションやアサインメントの課題について調査を行いましたので以下に報告いたします。 | ||||||||||
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【調査概要】 【調査結果】
現在のテレワークの実施については、全体では「基本的に出社している」が38.5%で最も高く、次いで「週に4回以上テレワークをしている」が31.7%と、基本的に出社している「出社中心型」と週4日以上テレワークを実施している「テレワーク中心型」が多い結果に。また、規模別、役職別に見ると、比較的出社の傾向にあった企業規模999名以下の「中堅・中小企業」、「役職者」の層でもそれぞれ約6割が週1以上のテレワークを実施しており、テレワークの働き方が浸透しつつあることが分かった。 ![]()
コロナ以降の、初めて一緒に働くことになったメンバーとの協業について「コロナ以前と比べて難しくなった」と「コロナ以前と比べてやや難しくなった」が合わせて35.2%という結果に。役職と企業規模別に見ると、 1,000名以上の大企業の役職者52.0%が、コロナ以降の、初めて一緒に働くことになったメンバーとの協業について「難しくなった」と回答。 999名以下の中堅・中小企業の役職者の33.0%に比べ19.0ポイント高く、大企業の方が難しさを感じている傾向にあることが分かった。 ![]()
2.でコロナ以降の、初めて一緒に働くことになったメンバーとの協業について「難しくなった」と回答した理由は、「リモートでは意思疎通が取りにくいから」が64.5%で最も高く、次いで「メンバーのキャラクターが分からないから」が44.5%、「メンバーのスキルが分からないから」が30.3%という結果に。特に大企業の役職者は「メンバーのキャラクターが分からないから」が53.8%と大企業の一般社員と比べて16.0ポイント、「メンバーのスキルが分からないから」が36.5%と大企業の一般社員と比べて12.2ポイント高いという結果に。大企業の役職者がメンバーの個性や能力、スキルなどを把握できてないことを理由に挙げる傾向が強いことが分かった。 ![]()
会社におけるクライアントからの相談について感じていることは、「人材不足にもかかわらず、案件を受注し苦労したことがある」が34.0%と最も高い結果に。次いで「クライアントからの相談数に対し、自社の人材は不足していると感じる」が27.3%、「クライアントからの相談に対し、十分に応えられるスキルを持つ自社の人材は不足していると感じる」が26.0%となった。 ![]()
一般社員がプロジェクト責任者に期待することについては、「適正なアサインメント(業務の割り当て、選出、配属)」が50.3%で最も高く、次いで「稼働状況のコントロール」が36.0%という結果に。プロジェクト開始段階における適正なアサインメントと、プロジェクト開始後の稼働状況の配慮や調節を求めていることが分かった。 ![]() 【イノベーション総合研究所 所長 間中健介氏コメント】 感染状況が落ち着いている10月末から11月初めに行なわれた今回の調査では、いわゆる「プロジェクト型ワークスタイル(取引先や案件に応じて様々な業務内容やチームで働く形態)」で就労しているビジネスパーソンにおいて、「出社中心型ワークスタイル」と「テレワーク中心型ワークスタイル」に二分されていることが浮き彫りになった 。この背景について今回の調査結果のみから断定することはできないが、テレワーク中心型ワークスタイルへの順応性が高いとされる大企業若手層だけでなく、「中堅・中小企業」「40代以上」「役職者」の層でもテレワーク中心型ワークスタイルの導入が進んできたと捉える。また、出社かテレワークかという二者択一ではなく、感染症を取り巻く社会情勢によって出社中心型かテレワーク中心型かを柔軟に切り替える動きが広がっているとの見方もできる。 コーポレートガバナンス改革やDXをフックとした経済構造変化のもと、これまで内部人材中心で業務を進めてきた大企業においても、外部の多様な人的資源をタイムリーに動員してアドホックにチームを組成し、スピーディに新規施策を推進する取組が求められている。数十名から数百名規模のコンサルティング会社や法律事務所等のプロフェッショナルファームでは従前より中途採用者や外部人材のマネジメントに関するハードルは低いが、大企業では外部人材のマネジメントに心理的・制度的なハードルが一定程度存在していることが、今回の調査からうかがえる。 日本経済を牽引する大企業が稼ぐ力を向上させるためには、社内外の人的資源の効果的なアサインメントが不可欠である。この観点から、イノベーション総合研究所(WITH)では以下3点の提言を行なう。 【提言】 ![]()
近年の働き方改革のもと、大企業ではデジタルデータによる勤怠管理は一般化している一方、個々の従業員の経験・スキルについては明確な指標(KPIやMeasurement)がなく、アナログ・暗黙知のみによる把握で、かつ特定部門内だけでしか共有されていないケースが少なくない。従業員側にとって安心して経験・スキルを共有することができてケーパビリティを高めることができる仕組みと、マネジメントにおいてそのデータを公正・効果的に活用する仕組みを進化させていくことが求められる。
コーポレートガバナンス改革やDXをフックとした経済構造変化は、想像を超える速度で進行しており、一部の企業では政策保有株式の削減、 CVC(Corporate Venture Capital)の活用等を通してオープンイノベーションを加速している。重厚長大と言われてきた企業がアジャイル型のビジネス展開をしている例も珍しくない。ビジネスに求められるスピードと難易度は日々高まり、特定部門内だけで予算と人的資源をクローズドに管理することを続けていては、競争のスタートラインにすら立つことはできない。大企業はアジャイル化の加速が求められ、部門内だけのリソース活用から脱却し、グループ全体での多様で柔軟なリソース活用、さらにはグループ外のヒト・モノ・カネを機動的に活用する前提で、経営の仕組みを変えていく必要がある。このなかで最も有限で重要な資源であるヒトに関して、社内外問わず多様なヒトとの連携を創出し、機動的に登用をする観点から、人的資源管理に新しいシステムや手法を導入していくことがまずは要諦となる。
大企業のアジャイル化が加速すれば、専門スキルを持つプロフェッショナル人材には今後より多くのチャンスが到来する。しかし、プロフェッショナル人材同士の競争は激化し、専門スキルに対して支払われる対価は常に不安定なものとなっていく。アサインメントをされるプロフェッショナル人材の側には、自身のスキルや業務状況をタイムリーに客観視したうえで効率化と能力向上への投資を図ることが求められる。つまり、自身を大企業の協業パートナー企業として相応しい態様に整備していく視点が必要となる。 アジャイル化する世界では、企業は既成の仕組みに捉われず常に”最適なチーム”をライバルよりも早く結集して、目的達成に取り組まなければならない。また、自社が他社にとっての最適なチームメンバーとして選択され続けるよう、効率化と能力向上を図らなければならない。大企業が先頭に立ってアサインメントを高度化し、個人と組織が戦略を進化させるサイクルを醸成していくことが、日本経済全体の底上げにとって肝要であると考える。 *本ニュースリリースに含まれる調査結果をご掲載いただく際は、以下のクレジットを明記してください。 【イノベーション総合研究所(WITH)とは】 【TeamSpiritとは】 【TeamSpirit EXとは】 【株式会社チームスピリットについて】 ・「チームスピリット」、「TeamSpirit」は株式会社チームスピリットの登録商標です ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ■株式会社チームスピリット Twitter公式アカウント(@teams_staff) ■株式会社チームスピリット Facebook公式アカウント(@teamspirit.jp) ■TeamSpirit 魂のブログ ■イノベーション総合研究所「WITH」 |